好きだと伝えるわけでもなく、あきらめるわけでもなく。 ただ、その人のことを考えている時間だけが積み上がっていく。
進みも引きもしないのに、心はずっと動いていて、そのぶん疲れている。 片想いのしんどさは、たぶんここにあります。
行き場のない気持ちは、置き場所がないから重い
叶わない恋がつらいのは、当たり前のことです。 けれど、片想いの本当のしんどさは、叶わないことそのものより、気持ちの行き先がないことのほうにあるように思います。
相手に渡せば重たいかもしれない。 人に話せば「早く忘れなよ」と言われる。 自分の中に置いておくと、夜になって膨らむ。
どこにも置けないものを、抱えたまま毎日を過ごしている。 それを何か月も続けていれば、疲れて当然です。
そして、こういうとき多くの方が自分を責めます。 こんなに引きずるなんて重い、いい歳をして、いいかげん切り替えなきゃ、と。
その責め方だけは、今夜はやめておきましょう。 好きでいることは、そもそも責められるようなことではありません。
鑑定師としての見立て
宿命鑑定では、生年月日から、その人が生まれ持った気質の型を見ていきます。 わたしが学んできた帝王学陰陽五行の見方では、人の宿命を三つの柱で捉えます。なかでも日柱は、その人自身の心にあたる部分で、宿命全体の半分ほどを占めると考えます。恋のときに前へ出てくるのは、たいていこの部分です。
そして、この型によって、相手に求めるものがずいぶん違います。
宿命鑑定では、仕事相手に求める人物像、上司や親に求める人物像、部下や子どもに求める人物像、そしてパートナーに求める人物像を、それぞれ別のものとして見ていきます。
パートナーに求めるものについて言えば、たとえば、深く一人と結びつくことに安心を感じる型の人がいます。この型の人は、一度心が向くとそこに長く留まります。 一方で、軽やかに人と関わりながら世界を広げていく型の人もいます。この型の人は、気持ちの切り替えが比較的早い。
前者の型の方が、後者の型の人と自分を比べて「わたしは重い」と落ち込んでいる場面を、わたしはこれまで何度も見てきました。
けれど、ひとつのことを長く思い続けられるというのは、そう簡単に真似できるものではありません。 仕事でも、家族との関わりでも、その持続力はきちんと働きます。いまは相手に向いているから苦しく感じるだけで、性質そのものは、あなたの資質の豊かさに数えていいものだと思っています。
想いが重いのではなく、器が深いのだ、と見ることもできます。深い器は、注いだものがすぐには乾きません。乾かないから苦しいけれど、乾かないからこそ、誰かを長く支えることもできる。
この持続する力は、恋のときだけに出るものではありません。 決めたことを続けられる、任された仕事を最後まで見届ける、一度信じた人を簡単には見限らない。同じ性質が、そういう形でも働きます。 いまは相手ひとりに集まっているので苦しく感じますが、向きが変われば、そのまま強みとして使えるものです。
もうひとつ、時期のことも添えておきます。 巡りには、外に向かって開いていく時期と、内側にこもって整える時期があります。内にこもる巡りにいるときは、ひとつのことを深く思い詰めやすくなります。 また、心が揺れやすい時期には、急に白黒つけたくなったり、普段しない動き方をしたくなったりします。夜中に長い告白の文章を書きたくなっているとしたら、気持ちが極まったというより、揺れやすい季節にいるのかもしれません。
そういうときの大きな決断は、少し先に延ばすほうが穏やかです。伝えるという選択肢が消えるわけではありません。順番を、心が凪いだ日に回すだけです。
同じ生まれの人でも、環境や生き方によって歩む道は変わります。ですから、型は自分を決めつけるためのものではありません。当たり外れではなく、自分にはこういう資質が備わっていたんだな、というくらいの気持ちで眺めてみてください。
今夜のうちにできる、小さな一歩
気持ちを消そうとするのではなく、いったん置く場所をつくる、という考え方でお試しください。
- ノートを一冊、その人専用にする。書く場所が決まると、頭のなかで散らばらなくなります。誰にも見せないので、どんな書き方でもかまいません
- 今夜だけ、相手のSNSを見ない。見ないと決めるのは我慢ではなく、これ以上材料を増やさないための手当てです
- 好きだと思った理由を、三つだけ書き出す。ここには、あなたが人の何を大事にするかが出ます。次の恋にも、仕事にも使える情報です
- 気持ちを、体から先に下ろす。湯船につかる、部屋を暗くする、温かいものを飲む。考えごとは、体が緩むと少し軽くなります
ひとつだけで十分です。何もしない夜があっても、後退ではありません。
おわりに
片想いは、実らなくても、あなたが誰かをちゃんと想えた記録です。 その事実は、結果がどうであっても消えません。
答えを出す夜ではなく、置き場所をつくる夜。 今夜はそれくらいで十分です。どうぞ、あたたかくしてお休みください。
もし気持ちのつらさが深くて、日常が立ち行かないほど続いているようでしたら、専門の相談窓口も頼ってくださいね。話す相手は、多いほうが心強いです。