なんだかうまくいかない時期の過ごし方——心が揺れやすい「巡り」の話

これといった事件があったわけではないのに、どうもうまく回らない。 選ぶことがことごとく裏目に出て、決めたはずのことが翌日にはぐらついている。

そのくせ、急に全部を変えたくなる。 仕事を辞めたい、引っ越したい、髪を切りたい、いっそどこか遠くへ行きたい。

そんな気分のまま、夜が更けてしまったのかもしれません。

うまくいかない時期は、力が落ちたわけではありません

こういう時期に、多くの方が同じ結論に飛びつきます。 自分の実力がなかった、努力が足りなかった、選ぶ目がなかった、と。

けれど、思い返してみてください。 同じくらいの力で同じようにやっていて、なぜか噛み合っていた時期が、これまでにもあったはずです。

うまくいかない期間というのは、力が落ちたというより、こちらの出す手と外の受け皿がずれている状態に近いように思います。 ボールの投げ方は変わっていないのに、風向きが変わっている。そんな感じです。

そして厄介なのは、この時期には自分の判断そのものも普段と違ってくることです。 いつもなら一晩置いて考えることを、その場で決めてしまう。いつもなら我慢できることが、やたらと重たく感じる。 そのせいで、あとから振り返って「なんであんなことをしたんだろう」と思う選択が増えます。

鑑定師としての見立て

宿命鑑定では、人には生まれ持った気質の型があり、そこに運気の巡りが重なっていくと考えます。 わたしが学んできた帝王学陰陽五行の見方では、その巡りには外に向かって開いていく時期と、内側にこもって整える時期があります。どちらも必要な季節で、片方だけで一年が回ることはありません。

そして、この巡りのなかに、心が揺れやすくなる時期があります。専門的な呼び名もあるのですが、ここでは言葉より中身のほうを見ていただきたいので、細かい用語は置いておきます。

その時期に起こりやすいことは、だいたい決まっています。

まず、心が不安定になります。同じ出来事でも、普段の何倍も刺さる。 次に、普段と違う動き方をしてしまいます。決断が早くなりすぎたり、逆にいつまでも決められなかったり。 そして、現状を変えたくなります。引っ越し、転職、結婚、高額の買い物。人生の景色を大きく動かすものに、なぜかこの時期に強く惹かれます。

もし、いま挙げたことに心当たりがあるとしたら、あなたは何かを間違えたのではなく、そういう季節の中に立っているだけ、と見ることもできます。

この時期の過ごし方には、昔から言われている目安があります。 大きな決断は、できるだけ先に延ばすこと。 これは「動いてはいけない」という脅しではありません。揺れている船の上で測った寸法は、あとで測り直したくなることが多い、という程度の話です。どうしても動かせない事情があるなら進めていいのです。ただ、決めきる前に一晩置く、信頼している人にひとこと話してみる。それだけで、ずいぶん違ってきます。

そして、この季節に向いていることもあります。

ひとつめは、学ぶこと。この時期に入れた知識や技術は、不思議とよく身につきます。 ふたつめは、人のために動くこと。自分の利益にならない働きをしておくと、次の季節に返ってくると言われています。 みっつめは、ご先祖や、これまで支えてくれた人を大切にすること。お墓参りでも、親に電話するのでも、形は何でもかまいません。 よっつめは、体を整えること。心が揺れているときほど、体のほうから立て直すのが早道です。

外に向かって咲かせる季節ではないけれど、土をつくる季節としては、これ以上ないほど向いている。わたしはそう捉えています。

それから、この時期にいちばんしないほうがいいことを、ひとつだけ挙げるとしたら。 人と自分を比べることです。

巡りは、人によって別々に流れています。同じ年に生まれた人でも、同じ職場にいる人でも、いまいる季節はそれぞれ違います。 自分が土を休ませている季節に、実をつけている季節の人を見れば、そりゃあ苦しくなります。けれど、それは能力の差を見ているのではなく、季節の違う畑を並べて見ているだけかもしれません。比べるなら、他人ではなく、去年の自分のほうがまだ公平です。

占いは、これから起きることを言い当てる道具ではなく、いま自分がどのあたりに立っているのかを確かめるためのものだと考えています。同じ生まれの人でも、環境や生き方によって歩む道は変わります。当たり外れではなく、いまはそういう季節なんだな、という眺め方をしていただけたらと思います。

今日からできる、小さな一歩

この季節と喧嘩しないための、ささやかなことをいくつか置いておきます。

  • 大きな決断に、一晩の猶予を足す決まりをつくる。三万円を超える買い物と、辞める・別れる・引っ越すの類は、その場で決めない。それだけでかまいません
  • 学びごとをひとつだけ始める。本を1ページ、動画を5分。この時期に入れたものは、あとから効いてきます
  • 誰かのために、小さく手を動かす。返事の要らないお礼のメッセージや、家族の分の家事をひとつ。見返りを設定しないのがこつです
  • 体を先に整える。湯船、白湯、早めに横になる。判断力は、体調にかなり引っ張られます
  • お世話になった人を、ひとり思い出す。心のなかで思い出すだけでも十分です

全部やろうとしなくて大丈夫です。ひとつでも、この季節の使い方としては十分です。

おわりに

うまくいかない時期は、終わりの合図ではなく、季節のひとつです。 土を休ませているあいだ、地上には何も見えません。それでも、下では準備が進んでいます。

いまは、大きく決めなくていい時期です。 今夜は、ここまでにしましょう。どうぞあたたかくしてお休みください。

もし気持ちの落ち込みや眠れない日が長く続いているようでしたら、専門の相談窓口や医療機関も頼ってくださいね。季節の話で片付けずに、頼っていい場所があります。

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